~「あと〇時間あるから大丈夫」の嘘。睡眠中の肝臓のリアルな動き~

「何時までに飲めば、明日の朝運転できるか」

スマホの電卓アプリを開き、時計と睨めっこをしているあなたへ。

「明日の朝7時に車で出かけるから、あと8時間ある。

ビール2本ならギリギリ抜ける計算だな」

「24時には飲み終わるから、明日の大事な会議には酒が残っていないはずだ」

そうやって、自分の体重とお酒の量を計算して、今夜の「飲酒スケジュール」を組み立てていませんか?

確かに、インターネットで検索すれば「アルコールが抜ける時間の計算式」はたくさん出てきます。

一般的な目安として、「体重60kgの人が、ビール中瓶1本(アルコール20g)を分解するには約3〜4時間かかる」と言われています。

しかし、その計算式を信じて眠りにつき、翌朝になってから「あれ、まだ頭が重い」「酒臭い気がする」と冷や汗をかいた経験が、あなたにも一度はあるはずです。

なぜ、計算通りにいかないのでしょうか。

それは、あなたがネットで調べたその計算式に、「最も重要で、最も残酷な条件」が抜け落ちているからです。

寝ている間、肝臓も「休んで」いる

その残酷な条件とは、「睡眠中は、アルコールの分解スピードが極端に落ちる」という医学的な事実です。

私たちは無意識のうちに、「寝ている間に、肝臓が一生懸命働いてお酒を抜いてくれる」と思い込んでいます。

しかし、それは全くの逆です。

睡眠中、人間の身体は「休息モード」に入ります。

脳も、筋肉も、そして内臓も休もうとします。

起きている時なら「1時間に7g」のアルコールを分解できる肝臓も、あなたが眠りに落ちた瞬間、その処理能力は半分以下(あるいはそれ以上)にガクッと落ち込んでしまうのです。

注意

『1時間に7g』というのもあくまで平均的な男性の目安であり、女性やお酒に弱い体質の人はその半分以下のスピードしかありません。
さらに、『じゃあ徹夜して起きていれば抜けるんだな』と思うのは大間違いです。
疲労状態では肝臓の機能は著しく低下し、さらに深刻な居眠り運転を引き起こす最悪の選択になります

「起きていれば4時間で抜けるお酒」が、寝てしまうと「8時間経っても体内に残っている」というのは、決して珍しいことではありません。

あなたの計算式は、起きたまま(活動したまま)一晩を過ごすことを前提とした、机上の空論なのです。

翌朝、重い頭でハンドルを握った時。

もしそこで検問があったら? もしそこで小さな事故を起こしてしまったら?

「計算上は抜けているはずだったんです」という言い訳は、警察にも会社にも通用しません。

人生が一瞬で終わります。

「計算してまで飲みたい」のはなぜか?

「じゃあ、明日の朝早くから予定がある時は、一滴も飲まないのが正解なんだな」

理屈では、あなたもそれが一番安全だと分かっているはずです。

それなのに、なぜ「アルコール 分解 時間」と検索し、リスクをギリギリまで計算してまで、今夜その一杯を飲もうとしているのでしょうか?

「お酒の味が好きだから」ではありません。

「今日という一日を、お酒という麻酔なしで終わらせることに、耐えられない理由があるから」です。

  • 今日あった嫌な出来事やプレッシャーを、完全に麻痺させたい「逃避型」
  • クタクタになるまで働いた自分を、どうにかして労いたい「ご褒美型」
  • 「夜=飲むもの」という無意識のプログラムが暴走している「習慣型」
  • 断って空気を悪くするのが怖くて、自分の限界を計算している「社交型」

あなたが「人生を終わらせるかもしれないリスク」を背負ってまで、お酒に求めている本当の機能は何ですか?

電卓を叩く夜から、卒業しませんか?

「飲んだら明日に響くかもしれない」

「でも飲みたい」

「いや、計算上はいけるはずだ」

こんな風に、毎晩お酒のことで頭を悩ませ、翌朝の体調に怯える生活は、もう終わりにしませんか?

あなたの脳が、なぜそこまでしてお酒を求めてしまうのか。

その「心のバグ」の正体を知れば、計算式なんて調べなくても、自然とお酒を手放せるようになります。

まずは、あなたの人生を綱渡りにしている「飲酒のトリガー」を突き止めてみましょう。

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