
~「飲んでいた頃の方が動けた」の罠。何年分もの睡眠負債を返す時~
禁酒したのに、どうしてこんなに体が重いのか?
禁酒を始めて数日、あるいは1週間。
あなたは今、予想もしていなかった「猛烈な眠気とダルさ」に襲われていませんか?
「お酒をやめれば、毎朝スッキリ目覚めてバリバリ働けると思っていたのに…」
「日中も頭にモヤがかかったようで、PCの画面を見ていると意識が飛びそうになる」
「正直、お酒を飲んで気合いを入れていた頃の方が、まだ動けていた気がする」
健康になるために禁酒したはずなのに、逆に体調が悪くなったように感じて、激しい不安に襲われているかもしれません。
そして、「やっぱり少しだけ飲んで、シャキッとさせた方がいいのではないか」と悪魔の囁きが聞こえ始めているのではないでしょうか。
安心してください。
あなたが今感じているその強烈な眠気は、悪化のサインでも病気でもありません。
あなたの脳と身体が、「何年にもわたって溜め込み続けた借金(睡眠負債)」を全力で返済し始めている、最高に順調な『好転反応』なのです。
「気絶」が終わり、本物の「睡眠」が始まった

なぜ、お酒をやめると異常なほど眠くなるのでしょうか。
それは、あなたがこれまで毎晩ベッドで行っていたのが「睡眠」ではなく、アルコールという麻酔による「気絶」だったからです。
お酒を飲んで気を失っている間、あなたの脳は全く休まっていませんでした。
それどころか、猛毒(アセトアルデヒド)を分解するために、内臓と自律神経は毎晩徹夜で強制労働をさせられていたのです。
あなたは「毎日寝ている」つもりでも、身体の中は「何ヶ月も徹夜で走り続けているのと同じ、ボロボロの極限状態」でした。
しかし、禁酒によって体内のアルコール(麻酔)が完全に抜けました。
すると脳は、ついに本来の「睡眠機能」を取り戻します。
そして、あなたのボロボロの身体を見て、こうパニックを起こすのです。
「おい、全身の細胞が傷だらけじゃないか! 今すぐ強制終了(スリープ)して、全力で修復工事を開始しろ!」
これが、日中まで襲ってくる異常な眠気の正体です。
お酒という麻酔が切れたことで、あなたが麻痺させていた「本当の疲労」がドッと押し寄せてきているだけなのです。
眠気のピークは1〜3週間。抗わず「昼寝」せよ

この猛烈な眠気(修復工事)のピークは、禁酒開始から「1週間〜3週間」ほど続きます。
この期間は、絶対に気合いやカフェインで眠気に抗おうとしないでください。
一番の対策は、「諦めて、脳の要求通りに眠る(休む)こと」です。
15分の昼寝を取り入れる
日中、どうしても眠くてたまらなくなったら、トイレの個室や営業車の中、あるいはデスクに突っ伏してでも構いません。
たった15分目を閉じるだけで、脳の修復工事は一気に進み、午後のダルさが劇的に改善します。
「生産性」という言葉を捨てる
「せっかくの休日なのに、寝てばかりで1日を無駄にしてしまった」と自分を責めるのはやめましょう。
今は、人生最大のデトックス期間です。
ベッドの上でゴロゴロしているだけで、あなたの身体は100点満点の働きをしています。
なぜ、気絶するまで自分を追い込んでいたのか?
「眠気が好転反応なのはわかった。でも、そもそもこんなに疲労が溜まるまで、自分はどうして無理をしてしまったんだろう…」
何年分もの睡眠負債が溜まっていたという事実は、あなたが「お酒という麻酔を打たなければ倒れてしまうほど、シラフの日常で過剰な我慢や無理を重ねてきた」という残酷な証拠でもあります。
- クタクタになるまで限界を超えて働き、自分をすり減らしている「ご褒美型」
- 常に他人に気を遣い、自分の感情や疲労を後回しにしている「社交型」
- 重圧やプレッシャーから逃れるため、無理やり意識を飛ばしていた「逃避型」
自分が「何の痛みを麻痺させるために、気絶を選んでいたのか」
その心のトリガー(バグ)の正体を知らなければ、眠気が収まった後、また同じように自分を追い込み、お酒に手を伸ばしてしまいます。
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